【Odorantes】Flagrant Cold Process Soap

 
石けんのコラム 010

10年前の石けん

---------------------------------------------------------------------------------------


保存していた一番古い最後の石けんを使う事にしました。

この石けんを作ったのは2003年の8月20日、
5番目に作った石けんでレシピはオリーブオイルとハーブ、
オリーブオイルにはカモミールとラベンダー、ローズマリーをそれぞれ漬け込んだ物と
水分には濃く出したハーブティーを使用しています。
鹸化率は90%で今ではしっかりと水分が抜けてぼこぼことした表情です。
アレッポの石けんなどでよく知られたオリーブオイルのみを使う石けんで
キャスティールと呼ばれるものです。
初めてのキャスティールで、当時のノートにはトレースに18時間、
型だしに1ヶ月かかったと書いてあります。


作った当時はハーブの鮮烈な香りがしていたけど、
パッケージを開くと、上になっていた面はまだまだきれいで
かすかなハーブの香りがします。
下になっていた面はやや黄色く油のにおいがして酸化もみられます。
それでも2、3度使えばきれいな面が出てきそうです。
自宅で大切に保存していたので、よくあるオリーブオイルの石けんのように
強い油くささはなく、ずっとさわやかな香りです。


使ってみると、泡立ちは遅いけれど立った泡は消えず、
オリーブオイルがメインの石けんの特徴である
強さのある保湿感と、強い洗浄力が感じらました。
パームオイル等の石けんを硬くするオイルが入っていないので減るのがはやいです。
そしてとっっても泡切れがよく、洗い上がりは清潔なベルベットのよう!
隅々まで清潔なのに、刺激がなく、白い顔になっています。


ハンドメイドソープはどちらかと言えばつややかな洗い上がりだと感じるのですが
これはすっきりと汚れが落ちているのに刺激がなく、
清潔になっていて、きめ細やかな仕上がりです。
時間が与えてくれる恩恵でしょうか。


キャスティールは作るのに時間がかかりますが、
保存できる時間も長く、手間がかかったぶん長く楽しめます。
使用感も泡立ちが悪いなど強い個性がありますが
それを補って余りある魅力もあります。
当時のノートにも同じような感動が残されています。
やわらかな洗い上がりと。


次の十年を目指してまた作ってみる事とします。
トレースにも型出しにも、使用までにも時間がかかる手作りならではのよさですね。
それにしても気の長い話です!


From Odorantes




---------------------------------------------------------------------------------------


石けんコラムの一覧はこちら  » コラム一覧

定期購読をご希望の方は、 info@noah.noor.jp まで
件名に『石けんコラム配信希望』とお書き添えの上、
お名前(ハンドルネーム可)のみ記載して空メールをお送りください。
隔月毎の配信に合わせてお知らせメールをお送りいたします。


» Odorantesの石けんはこちらからどうぞ